会社という組織に依存せず、自分の生きる道を自分の力で切り開いていく、逞しい技術者。それがフリーエンジニアです。自分の力を信じ、技術力を磨き、日々勉強し、営業も経理もすべて一人でこなしながら、自分のやりたい仕事を追及していくという、自由だからこそシビアな生き方。そんなフリーエンジニアという生き方についてあらためて見つめてみましょう。
フリーエンジニアとは、企業に雇用されずに独立した個人事業主として仕事を請け負う、フリーランスのエンジニアのことを言います。リストラや人員整理、昇給額の停滞など、不景気が続いたことにより、正社員で働くということに対する魅力が薄れ、フリーランスという働き方を選ぶ人が増えてきています。特に、エンジニアという職種は手に職を持つ専門技術職であることから、会社員としてひとつの企業に勤めるよりもフリーで働くことに向いているという側面もあります。とはいえ、エンジニアにとってフリーランスはメリットばかりかと言えばそうとも限りません。
フリーエンジニアとして働いていくには、自分のやりたいことをとことん追求する強い意志が必要です。企業で会社員として働いているうちは、やりたいことよりも、やりたくないことや、会社に対する不平不満の方に気を取られがちかもしれません。会社員であればそれでも毎日出勤さえすれば収入を得ることができますが、フリーエンジニアとなるとそうはいきません。いやな仕事はしなくても誰にも文句は言われませんし、自由なワークスタイルで過ごせるため会社員としてのストレスは解消されます。その時に、本当にやりたいことは何か?が明確になっていないと、進むべき方向性を見失ってしまいます。
フリーエンジニアには定年退職はありません。いつ引退するかもすべて自分の采配次第で決めることができます。若いうちに思い切り稼いで、早期引退、悠悠自適な老後を過ごすことも可能でしょう。逆に言えば、生涯現役を目指して何歳まででも働き続けることも可能なのです。エンジニアは40代が実質定年と言われたりもします。実際、求人案件を見ていても高齢層の募集はあまり多くありません。しかし、60代になっても現役で活躍するエンジニアも実在します。年齢を重ねることで体力などは衰えるかもしれませんが、若い人にはない幅広い経験値とハイレベルなスキルが武器になります。
在宅案件で働くフリーエンジニアは、好きな時間、好きな場所で働けるという自由な気楽さが最大の魅力かもしれません。しかし、その気楽さにこそ、失敗の要因が潜んでいるので注意が必要です。毎朝、決められた時間に決められた場所へ通うというのはそれだけで大変なことですが、それは他人の目がある中でのルールだから続けられることかもしれません。人は大なり小なり自分に対する甘さを持っています。他人の目が無いところで、自分の意思だけで自分を律するというのは、想像以上に強い意志が必要になります。在宅ワークの失敗は自己管理の甘さに起因するものが大半です。
フリーエンジニアの在宅案件は、時間も場所も規制されず、自分の自由なスタイルで仕事をすることができます。その分、しっかりとした自己管理は必須です。体調管理、健康管理、時間の管理、スケジュール管理など、自分自身をマネジメントし、コントロールすることができなければ、フリーエンジニアの在宅ワークは失敗します。他人の目のないところで自分をしっかり管理する、強い意志が必要です。
スマートフォン用ゲームの大ブームに乗って、ゲーム開発業界でも在宅案件が増えてきました。ゲーム開発経験を持つゲームプログラマなら、在宅案件の獲得もそう難しくないでしょう。ゲーム開発は圧倒的に経験者が有利になるため、これからゲームプログラマを目指すのであればいきなりフリーの在宅で仕事をとるのは厳しいかもしれません。まずはゲーム開発会社に就職、もしくは常駐で開発経験を積むところからスタートしましょう。
フリーエンジニアにとって、仕事が無いということは、収入が無いということに直結するため、仕事がとれない期間は不安以外の何物でもありません。その不安から、つい無理な仕事を受けてしまう場合がありますが、これは悪循環の始まりです。立場的に弱くなりがちなフリーエンジニアだからこそ、クライアントを選ぶ勇気も必要です。ビジネスにおいて、どちらか片方が損をするような取引は継続しません。双方が利益を生むWinWinの関係でこそ、付き合いは継続します。